邦銀初!投資信託の申し込み手数料完全無料化
伊藤亮太(いとう りょうた) 現在、スキラージャパン株式会社取締役副社長。 CFPR、DCアドバイザー、証券外務員資格保有。 慶應義塾大学大学院商学研究科(専門は社会保障・年金)修了後、証券会社の営業・経営企画部門等を経て2007年11月、「スキラージャパン株式会社」を設立。個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランニングの提案・サポート等を行うと同時に、企業やオーナーに対する経営コンサルティング、相続・事業承継設計・保険設計の提案・サポートを主に行っている。 また、CFPR認定者として、FP受験講座等の講師として活躍するかたわら、大学等で金融や資産運用、年金、保険などの講演も行っている。著書として、『ゼロからわかる金融入門 基本と常識』(西東社)などがある。 公式サイト|伊藤亮太ファイナンシャルプランナー http://www.ryota-ito.jp |
投資信託の販売手数料が無料のものをノーロード型投資信託と呼んだりしますが、とうとう取り扱う投資信託の販売手数料(申込手数料)をすべて無料とする金融機関が出現しました。日本の銀行としては初めてだということで注目されそうです。
申込手数料は、通常の投資信託ですと1.05%~3.15%かかる場合が多いといえます。この手数料がなくなるだけでも、1年目のパフォーマンスは大きく向上するといえます。したがって、同じ投資信託を購入するのであれば、こうした申込手数料が無料のところを探されるとよいでしょう。
今回は、申込手数料を無料としたスルガ銀行さんの取り組みを見ていきたいと思います。
■スルガ銀行の「ダイレクト投資信託」
スルガ銀行(静岡県)では、2010年10月1日より、インターネットバンキングおよびテレフォンバンキングで取引できる「ダイレクト投資信託」において、取り扱うすべての投資信託の申込手数料を無料としました。
ファンドラインナップも46銘柄と充実しています。注意点は、これはどの証券会社、金融機関で購入しても同じですが、信託報酬や信託財産留保額は今までと同様にかかります。また、これは残念な点ですが、積立投信(定時定額購入)は、申込手数料が無料とはならないとのこと。お客様の利便性を考えると、どうせなら積立投信の申込手数料も無料にすればなお魅力的といえるのですけどね。
適用金利は「ご契約時の定期積金の店頭表示金利+年0.20%」です。年0.20%の追加はほんのささいなものと思われるかもしれませんが、300万円預け入れた場合には6,000円になりますからバカに出来ません。
下記に、取り扱われているダイレクト投資信託のラインナップ一例を掲載します。
【日本株式に投資するファンドの一例】[ ]は運用会社
- ◆フィデリティ・ジャパン・オープン[フィデリティ投信]
- ◆フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型)[フィデリティ投信]
- ◆ダイワ・バリュー株・オープン【愛称:底力】[大和証券投資信託委託]
- ◆日興ジャパン・オープン【愛称:ジパング】[日興アセットマネジメント]
- ◆ピクテ 日本ナンバーワン・ファンド(毎月決算実績分配型)【愛称:NO.1】[ピクテ投信]
- ◆MHAM株式オープン[みずほ投信投資顧問]
- ◆MHAMキャピタル・グロース・オープン【愛称:ザ・ベストマネジャー】[みずほ投信]
【日本債券に投資するファンドの一例】[ ]は運用会社
- ◆ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)[大和証券投資信託委託]
【海外株式に投資するファンドの一例】[ ]は運用会社
- ◆三菱UFJ NASDAQオープン(A・Bコース)[三菱UFJ投信]
- ◆HSBCチャイナオープン[HSBC投信]
- ◆HSBCインドオープン[HSBC投信]
- ◆HSBCブラジルオープン[HSBC投信]
- ◆ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)[ピクテ投信投資顧問]
【海外債券に投資するファンドの一例】[ ]は運用会社
- ◆PCAアジア・ソブリン・オープン[ピーシーエーアセットマネジメント]
- ◆ブラジル・ボンド・オープン[大和証券投資信託委託]
- ◆グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)[国際投信投資顧問]
【日本を含む世界の株式・債券等に投資するファンドの一例】[ ]は運用会社
- ◆GW7つの卵[日興アセットマネジメント]
【国内外のさまざまな資産に分散投資するファンドの一例】
- ◆ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)[日興アセットマネジメント]
- ◆世界の財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型[日興アセットマネジメント]
詳しくはスルガ銀行のホームページをご覧ください。
http://www.surugabank.co.jp/directtoushin/index.html
<スルガ銀行の取り組みに対する評価>
今回、日本の銀行で初めて、取り扱う投資信託の申込手数料を無料としたということで取り上げてみました。インターネットで購入できる点は、全国どこでも買えることを意味しますから大変意義のあることだと思います。投資信託委託会社から提供されているものではありますが、市場動向レポートも見ることができますし、十分提供されているファンドでポートフォリオを組むことは可能といえます。また、新興国に投資する投資信託の申込手数料が無料という点は注目に値します。
あえて辛口に言うならば、日本株に投資する投資信託が多すぎて比較もされていないため、どれを選択してよいか投資家の方は迷われるのではないでしょうか。そのあたりはそれぞれ何が違うのか比較表があるとなお良いといえます。
個人投資家の皆様にとって、コストが安い点は非常に魅力的といえます。こうした地銀の動きは今後さらに広まるかもしれません。新しい動きがありましたら、コラムでお伝えしたいと思います。
本コラムは、スキラージャパン株式会社ホームページ『FPコラム』に掲載したものを手直ししたものになります。
FPコラム一覧メニュー
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- 第2回『生命保険加入と見直しのポイント!』
- 第3回『プロ野球を応援しよう!面白い定期預金のご紹介』
- 第4回『環境に関心を持とう!エコ定期預金のご紹介』
- 第5回『魅力的なETF商品が増加中!「金の果実シリーズ」とは?』
- 第6回『高金利が魅力!?ブラジル・レアル建ての外貨預金と債券を検証』
- 第7回『何か当たるかも!?面白い定期預金のご紹介』
- 第8回『子育て世帯ご注目!子育て支援定期のご紹介』
- 第9回『邦銀初!投資信託の申し込み手数料完全無料化』
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