FPが綴るコラム

魅力的なETF商品が増加中!「金の果実シリーズ」とは?

伊藤亮太(いとう りょうた)
現在、スキラージャパン株式会社取締役副社長。
CFPR、DCアドバイザー、証券外務員資格保有。
慶應義塾大学大学院商学研究科(専門は社会保障・年金)修了後、証券会社の営業・経営企画部門等を経て2007年11月、「スキラージャパン株式会社」を設立。個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランニングの提案・サポート等を行うと同時に、企業やオーナーに対する経営コンサルティング、相続・事業承継設計・保険設計の提案・サポートを主に行っている。
また、CFPR認定者として、FP受験講座等の講師として活躍するかたわら、大学等で金融や資産運用、年金、保険などの講演も行っている。著書として、『ゼロからわかる金融入門 基本と常識』(西東社)などがある。
公式サイト|伊藤亮太ファイナンシャルプランナー http://www.ryota-ito.jp

ここ数年でETF(上場投資信託)の種類、銘柄数が急激に増加しています。その結果、以前は日経平均や東証株価指数といった、日本の株式指数を主なベンチマーク(指標)としてその値動きと同等の運用成果を目指すETFが大多数だったものが、中国・インド・ブラジル・ロシアといった新興国の株式指数と同等の運用成果を目指すETFや、原油や金といった商品指数と同等の運用成果を目指すETFなど様々なETFが登場してきました。これにより、ETFに投資するだけで十分効率的なポートフォリオを組むことも可能となったといえます。今回はこのETFについて簡単に説明すると共に、新たに7月2日に上場した4種類の貴金属現物ETFについて説明しましょう。

■ETFとは?

ETFとは、上場投資信託のことをいいます。株価指数など特定の指標に連動することを目的に運用される投資信託のうち、取引所に上場されているものになります。

 ETFの特徴は下記の4つ。

①少額&低コストで購入が可能であること
 ETFは数千円~数万円からと、少額の資金で十分購入が可能であり、通常の株式と比較しても比較的投資しやすい金融商品といえます。株式と同様の委託手数料がかかるものの、信託報酬とよばれる年間を通してかかる費用については通常の投資信託と比較して割安である点はメリットといえます。

②取引所に上場していること
 取引が行われている時間中は、原則として誰でも自由に売買が可能です。株式と同様に、取引価格をみながら売買が可能なのです。

③注文方法が様々
 株式と同様、注文は「買い」から入るだけでなく、「売り」からも可能となっており、株式市況が悪化しそうな時には「売り」から入ることで利益を得ることも可能となっています。注文方法は値段を指定して注文する「指値注文」のほか、値段を指定しない「成行注文」も可能であり、信用取引を用いて注文することも可能となっています。

④分散投資がカンタン
 最近では、投資対象が日本株式、外国株式、外国債券、金や原油などの商品と様々な種類のETFが登場しています。そのため、銘柄を決めてコツコツ購入することで効率的な分散投資を行うことも可能となっています。

 こうした特徴を持つETFで資産運用を行うことも一つの方法としてよいのではないでしょうか。

 それでは、次に2010年7月2日に上場する「金の果実」シリーズに関して簡単にではあるが解説を行うこととします。

■4種類の貴金属現物ETFが東証に登場―「金の果実」シリーズ

 7月2日、「金の果実」シリーズと題して、東京証券取引所に4種類の貴金属現物と交換が可能なETFが新規上場しました。これらのETFは、貴金属現物(金・プラチナ・銀・パラジウムそれぞれの地金)と交換が可能となっており、国内組成による商品現物型ETFとしては初めての上場となります。指標価格は日本の投資家に馴染みのある「グラム・円」単位であり、金額も明確で投資しやすくなっています。もちろん、東証に上場するため、全国の証券会社にて購入が可能といえます。

 それぞれのETFの概要は下記のとおりです。

銘柄名純金上場信託(現物国内保管型)
対象指標金地金1グラムの現在価値(理論価格)
信託財産金地金(純度99.99%以上)
信託報酬年0.42%(税込み。平成22年7月2日現在)
上限年0.514%(税込み)以内で変更される場合があります。
転換(交換)単位【小口】金地金1㎏以上5㎏以内(1㎏の整数倍)の質量に対応する受益権口数
【大口】30万口以上の金地金の質量に対応する受益権口数

銘柄名純プラチナ上場信託(現物国内保管型)
対象指標プラチナ地金1グラムの現在価値(理論価格)
信託財産プラチナ地金(純度99.99%以上)
信託報酬年0.525%(税込み。平成22年7月2日現在)
上限年0.6195%(税込み)以内で変更される場合があります。
転換(交換)単位【小口】プラチナ地金1㎏以上5㎏以内(1㎏の整数倍)の質量に対応する受益権口数
【大口】20万口以上のプラチナ地金の質量に対応する受益権口数

銘柄名純銀上場信託(現物国内保管型)
対象指標銀地金100グラムの現在価値(理論価格)
信託財産銀地金(純度99.99%以上)
信託報酬年0.525%(税込み。平成22年7月2日現在)
上限年0.6195%(税込み)以内で変更される場合があります。
転換(交換)単位【大口】10万口以上の銀地金の質量に対応する受益権口数

銘柄名純パラジウム上場信託(現物国内保管型)
対象指標パラジウム地金10グラムの現在価値(理論価格)
信託財産パラジウム地金(純度99.95%以上)
信託報酬年0.525%(税込み。平成22年7月2日現在)
上限年0.6195%(税込み)以内で変更される場合があります。
転換(交換)単位【大口】3万口以上のパラジウム地金の質量に対応する受益権口数

(出所)東京証券取引所ホームページ「金の果実」シリーズパンフレットより
http://www.tse.or.jp/news/08/b7gje6000000p8qb-att/etfs_kinzoku.pdf

 今後もこうした様々なETFが登場してくるでしょう。投資家にとって魅力的なETFが登場することを願いたいところです。

※上記4種類のETFは貴金属に投資するため、価格変動リスクや為替リスクなどの投資リスクが存在します。

※当コラムは、作成時におけるETFの概要説明のみを目的としており、投資勧誘を目的としているものではありません。投資に関してはご自身の判断と責任にて行っていただきますよう、お願い申し上げます。

本コラムは、スキラージャパン株式会社ホームページ『FPコラム』に掲載したものを手直ししたものになります。


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