FPが綴るコラム

今年は要注意!金券が紙切れに?

伊藤亮太(いとう りょうた)
現在、スキラージャパン株式会社取締役副社長。
CFPR、DCアドバイザー、証券外務員資格保有。
慶應義塾大学大学院商学研究科(専門は社会保障・年金)修了後、証券会社の営業・経営企画部門等を経て2007年11月、「スキラージャパン株式会社」を設立。個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランニングの提案・サポート等を行うと同時に、企業やオーナーに対する経営コンサルティング、相続・事業承継設計・保険設計の提案・サポートを主に行っている。
また、CFPR認定者として、FP受験講座等の講師として活躍するかたわら、大学等で金融や資産運用、年金、保険などの講演も行っている。著書として、『ゼロからわかる金融入門 基本と常識』(西東社)などがある。
公式サイト|伊藤亮太ファイナンシャルプランナー http://www.ryota-ito.jp

 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、今回のコラムですが、今年是非注意していただきたい内容を掲載したいと思います。年末に掃除をして、大量の金券出てきませんでしたか?また、使用していない金券は家の中で眠っていませんか?今年はそれらの金券のいくつかが使用できなくなるため、注意が必要です。

 2010年4月に「資金決済法」が施行されました。この法律では、新聞での公告とポスターの店頭掲示で告知を行えば、金券に関して最短60日の払い戻し期限を設けることができます。その間に払い戻しされなかった金券に関しては、期限後は業者は払い戻しを行う義務はないため、消費者が気づかなければ金券が紙切れになってしまうことになるのです。

 従来であれば、金券は発行停止後も払い戻しは最後の1枚まで応じる必要があったわけですが、それでは業者に負担がかかりすぎるということもあってなのでしょう、昨年より対処方法が変わっているのです。

 既にこの「資金決済法」を利用して、払い戻し期間が設定されているものがあります。全国共通文具券、ご自宅にありませんか?私も何回か使用したことがありますが、実は店頭での使用は既にできなくなっています。発行停止時点で約840万枚(42億円分)が未使用のままということで、これらのうち払い戻し(2011年3月中旬までの予定)を受けないものに関しては紙切れになるおそれがあります。

<払い戻し期間が間近もしくは既に過ぎたものの主な例>

名称使用可能期間払戻期間
 全国共通文具券2010年12月末で終了2011年1月中旬~3月中旬の予定
 音楽ギフトカード2010年8月末で終了2011年2月1日まで
 花とみどりのギフト券(※)2010年10月末で終了2011年1月14日まで
 ヘルスギフト券(※)2010年9月末で終了2010年9月末で終了

※印は有効期限のあるもののみが対象となります。

 1978年からと30年以上も前に全国共通文具券は発行開始がなされており、ピーク時には年間で約360万枚も発行されたそうですが、今ではその半分にも満たない137万枚(一昨年)の発行にとどまっているようです。少子化や不景気の波がこのようなところにも押し寄せているといえます。

 その他、音楽ギフトカード(昔よく使用した覚えがあります)や花とみどりのギフト券なども既に発行停止となっており、使用することはできなくなっていますので注意してください。

■「全国共通文具券」の払い戻し方法についてはこちら↓

 http://www.bungu-ken.co.jp/
 ※既に使用期限の切れているものに関しては対象になりませんのであしからず

■「音楽ギフトカード」の払い戻し方法についてはこちら↓

 http://www.musicgiftcard.com/

■「花とみどりのギフト券」の払い戻し方法についてはこちら↓

 http://www.jfpa.co.jp/info/100926.html

 有効期限のあるヘルスケアギフト券に関しては、既に払い戻しも終了しており、お手持ちの金券は紙切れになってしまっています。注意してくださいね。

 ネット通販の普及や金券を贈答用にお送りする機会が減ったりと、時代が変わりつつある中でこうした金券の普及にも歯止めがかかってきました。金券がすべて無くなるとは考えにくいですし、消費の刺激策の一環として金券はあるべきではないかと思うのですが、様々な業界にて金券使用の需要が減少しているのも事実。消費者への告知が十分に進んでいないのが大変きがかりです。皆様もこうした金券をお持ちの場合には十分注意してくださいね。

 今後、その他の金券に関しても払い戻しがなされるおそれは十分考えられますので、お手持ちの金券に関してだけでも、たまにホームページ等をご覧になったりして情報把握に努められるとよいでしょう。ご友人などにもお話ししてあげてください。

※当コラムは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的としたものになります。銘柄や金融商品の選択、投資判断の最終決定は、ご自身の判断でなされるようにお願いいたします。

本コラムは、スキラージャパン株式会社ホームページ『FPコラム』に掲載したものを手直ししたものになります。


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