エコ関連のローンが最近話題に!?
伊藤亮太(いとう りょうた) 現在、スキラージャパン株式会社取締役副社長。 CFPR、DCアドバイザー、証券外務員資格保有。 慶應義塾大学大学院商学研究科(専門は社会保障・年金)修了後、証券会社の営業・経営企画部門等を経て2007年11月、「スキラージャパン株式会社」を設立。個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランニングの提案・サポート等を行うと同時に、企業やオーナーに対する経営コンサルティング、相続・事業承継設計・保険設計の提案・サポートを主に行っている。 また、CFPR認定者として、FP受験講座等の講師として活躍するかたわら、大学等で金融や資産運用、年金、保険などの講演も行っている。著書として、『ゼロからわかる金融入門 基本と常識』(西東社)などがある。 公式サイト|伊藤亮太ファイナンシャルプランナー http://www.ryota-ito.jp |
震災後、節電などの取り組みをされた方は多いと思います。最近ではそうした影響もあり、環境配慮に重点を置いたローンも様々な金融機関で登場するようになってきました。ここでは最近の新しい金融商品の一種として、エコ関連のローンを取り上げてみたいと思います。
■エコローンには様々ある
エコローンというと皆さんはどのようなものに感じられるでしょうか?おそらく太陽子発電設備を設置するためのローンと思われる方が多いと思います。
もちろん、太陽光発電設備を設置するためのローンもエコローンの一種といえます。最近はこうした環境配慮やエコ仕様の設備設置、リフォーム資金に対するローンが増えてきています。ただ、それだけではありません。環境に配慮した事業活動を行っている企業に対しても金利が優遇されるローンも登場しています。
様々なエコローンがあるため、ここでは実際の具体的事例として、筑波銀行の「エコリビングローン」とスルガ銀行の「SURUGAソーラープロジェクトローン」、三井住友銀行の「SMBC-ECOローン」を見ていきます。自宅のリフォームや建設検討されている方、環境に配慮した企業活動に取り組まれている方には是非読んでいただきたいと思います。
■筑波銀行の「エコリビングローン」
筑波銀行では、「エコリフォーム工事資金」や「環境配慮型設備の設置」を対象に、金利割引を設定した「エコリビングローン」の取り扱いを行っています。
具体的には、「エコリフォーム工事資金」として、①窓の断熱改修、②外壁、屋根・天井、床の断熱改 修、③バリアフリー改修に資金をお使いになる場合、「環境配慮型設備の設置」として、①太陽光熱利用システム(ソーラーパネル等)、②電化設備(オール電化、エコキュート等)、③ガス設備(エコジョーズ、エコウィル等)、 ④節水型トイレに資金をお使いになる場合には、店頭金利から金利が0.5%割り引かれます。また、その他一定の金利割引項目に該当する場合には店頭金利より最大年1.5%金利が割引かれることになっています。
融資額は1,000万円以内、融資期間は10年未満(融資額が500万円以上の場合15年まで可能)、平成23年8月末時点での最大割引後金利は固定金利で年2.475%、変動金利で年1.975%となっています。
茨城県にお住まいの方が中心になるかとは思いますが、エコリフォーム工事や環境配慮型設備の設置をお考えの方にとっては金利が下がるメリットは大きいと思いますので、検討されてみてはいかがでしょうか。
■スルガ銀行の「SURUGAソーラープロジェクトローン」
次に、スルガ銀行の「SURUGAソーラープロジェクトローン」を見ていきましょう。スルガ銀行では、2012年3月30日まで、住宅への太陽光発電設備等の設置をサポートするローンを取り扱っています。
「SURUGAソーラープロジェクトローン」の融資対象となるのは、神奈川県内の住宅になります。融資額は10万円以上500万円以内、融資期間は1年以上10年以内、金利は固定金利で年2.9%となっています。
■三井住友銀行の「SMBC-ECOローン」
三井住友銀行では、環境に配慮した活動をされている企業を対象に、貸出金利の優遇を行っています。下記の条件を満たす企業が対象となります。
- ①ISO14001、エコアクション21等、三井住友銀行所定のマネジメントシステム規格に基づく
環境認証を取得済み、もしくは東京都の「地球温暖化対策報告書制度」に基づき、報告書を提出済みのこと - ②業歴2年以上であること
- ③三井住友銀行の取引窓口(ビジネスサポートプラザまたは法人営業部)でお取引が可能なエリアに所在すること
- ④最新決算期において、債務超過でないこと
- ⑤申し込みの時点で税金の未納がないこと
融資金額は5,000万円以下、借入期間は最長5年(措置期間の設定可能)、借入利率2.1%~、担保不要、第三者保証不要(代表取締役全員の連帯保証は必要)となっています。
なお、担保を差し入れることで、最大1億5,000万円まで借入れを行うことも可能となっています。
※一部の法人営業部ではお取り扱いができないようです
※地域によってはお取り扱いができない場合があります
■注意点
上記において、3つの金融機関におけるエコローンを見てまいりました。ここでは取り上げることができませんが、数多くの金融機関において、エコ関連のローンは登場しています。
是非お使いいただきたいと思うのですが、注意点もあります。当然のことですが、借入れなため、金利を支払う必要があります。また、エコ関連の設備は意外に費用がかかります。
環境によいことはもちろん取り組まれるべきといえますが、無理して借入れを行うと、家計への負担も大きくなります。また、どんな場合でも借入れを行えるわけではありません。所定の審査があります。
そうした点をご理解の上、ご検討ください。
※当コラムは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的としたものになります。銘柄や金融商品の選択、投資判断の最終決定は、ご自身の判断でなされるようにお願いいたします。
本コラムは、スキラージャパン株式会社ホームページ『FPコラム』に掲載したものを手直ししたものになります。
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