認知症の母を連れ、お墓参りに行ってきた。母は弱視で障害者1級。腰が曲がり杖がないと歩けない。勿論、耳も遠い。出かける前の着替えでひともんちゃく。帽子を被らせようとすると「今は秋だから真夏の帽子は嫌だ」と冬の帽子を被ろうとする。今、真夏なんですけど・・。兄の車で小樽のお墓へ。海が見える、山の上のお墓。ボケているのに般若心経はほぼパーフェクトに唱えている(笑) 去年、身体の衰えが進んだので、墓参りに連れて行かなかったら、この1年通じて恨みつらみを言われ続けた。さあ、念願のお墓だよ、お母さん!帰りにファミレスで食事。今年は正月に近所の温泉施設に行って以来の外出となった母。普段、小食だが、天ぷらうどんと茶碗蒸しを完食した。施設に連れて帰り、片付けをしていると「もう墓参りはこれでいいよ」と言い出した。目が悪く慣れない場所では一人で何もできない母は、ずっと手を引いて貰い、動くのも食べるのも全て補助が必要で、迷惑をかける事が心苦しかったようだ。あんなに執着していた墓参りなのに、もう行けないと感じたみたい。母は5、6年前はまだ新聞や本が、なんとか顔を近づけて読める位の視力があったが、ここ数年はどんどん低下し、テレビも大好きな新聞も見ていない。ラジオだけが楽しみになっている。以前は一人で良く外出していたが、今は施設の隣の公園からも迷って帰れないので外出していない。「生きるのが辛い」と言った母の無念を思う。毎週日曜日、私は母の施設に通う。笑わせて、母に「楽しい」を感じて欲しいがために。