紀伊国屋サザンシアターで二兎社公演「狩場の悲劇」を見てきました。
今日は、夫はゴルフ、ですので私一人での鑑賞でした。
永井愛さんの脚色と演出なので、チェーホフの戯曲だけれど、見よう! と思ったのです。途中休憩が入る様な長い舞台でしたが、とても楽しめました。1800年代のロシア、貴族社会やクリミア戦争など・・・時代背景もありますが、私はそういうもの全てを乗り越えた、人間の弱さや愛おしさ、醜さなどをリアルに、そしてユーモアたっぷりに感じることが出来ました。俳優の演技も力あるものでした。
どうしようもない人間、社会に絶望しないチェーホフの言葉、そして小説は事実をそのままに伝える物で、道徳的であってはならない、という言葉も心に残りました。「桜の園」だって決してハッピーエンドでは無いですものね。生きる事の不条理と人間の愛おしさも感じました。濃密で集中した3時間、良い時間でした。ブラボー!!
お芝居の余韻に浸りながらも急いで帰宅したら、夫はすでに家に戻っていました。コンペでは準優勝だったそうで賞金をいただいていました。
そう言えば、と思い出してスマホの下取り代金はどうなったかしら、と確認したらすでに28000円分のポイントが入っていました。・・・夫婦でなんとなくご機嫌でした。
夕食の時の会話
森の天使のようだったオリガはお金のために年の離れた執事のプロポーズを受けて結婚するけれど、その美貌で伯爵とか、伯爵の友人でエリート予備判事とか・・・男性の心をもてあそび、お金を貢がせて、地位も注目度も高めていく。結局最後は堕落しきった自分がもたらしたことで殺されてしまうのですが・・・
私がオリガのような魔女みたいな魅力って、どこから来るのかしら? 殺されるのはイヤだけれど、殺されるほどの情熱で向き合ってもらえるなんてステキ! と言ったところ・・・三男からは、お母さんの場合、殺される前に心臓発作で終わるな、という現実的な発言があり、夫からはそもそも年を取り過ぎてるし、美貌でも無いもんね。なんて言って笑われました。
あの二人に語った私が間違いでした。一人で見てきて正解でした。・・・気分を変えて、お芝居の余韻を思い起こしつつ、休むことにします。
明日は夫と二人でアート展の受付です。頑張りましょう。