69歳の誕生日です。自分で自分の誕生日を祝おう、と映画を見ることに決めていました。場所は池袋西口のイケビズ。6階の大ホールです。
午前は「われ弱ければ 矢島楫子伝」という映画でした。
印象に残っているのは楫子の言葉です。
運命とは、命を運にあずける事です。大切な命を運に任すのではなく、これからの女性は使命を持って生きてください。使命とは、命を使うことです。自分の命は、自分で使うのです。
女性解放運動の先駆者となり、宣教師ツルー婦人と出会い、やがで女子学院の初代院長となります。「あなた方は聖書を持っています。だから自分で自分を治めなさい。」と言って校則を廃止してしまうのにも感動しました。アダムとイブの時代、たった一つの神との約束さえ守れなかったのだから、沢山の規則で縛ったところで守れないのは当然で、それよりも自分で自分を治める・・・なんと素晴らしいことだろう、と思いました。一夫一婦制の建白書を提出したり、禁酒運動をしたり、公娼制度廃止の運動にも尽力したそうです。
午後からの映画は「筆子その愛ー天使のピアノ」という映画でした。
滝乃川学園を作った石井筆子の生涯の映画でした。神の前に平等、というキリスト教精神のもと、知的障害児の保護と教育を行い、自立に貢献したのです。彼女とその夫もまたクリスチャンで、聖公会・立教と深いかかわりがありました。
二度も夫に先立たれ、三人の子供は皆夭逝してしまう、そんな困難の中でも諦めずに障害児教育に進み続けた姿に感動しました。礼拝堂で祈り続ける姿が印象に残っています。
内容の濃い映画でした。日本の女子教育や障害児教育、また女性の権利確保などには、外国人、特にキリスト教宣教師の方たちの絶大な尽力があったのだと感じます。
外国人に対する昨今の風潮は、果たして過去を正しく理解している物なのか、これからの日本社会を正しく導くものなのか、考えさせられます。いちにーさん政党!の主張が思い出されて虚しい気がしました。
帰宅したら、夫が誕生日だから、とシャンペンを用意してくれていました。
69歳。矢島楫子さんの言葉「50になって子育ても終わったから楽隠居などと言わないで、社会の問題に関心を持ち、少しでも良い世の中にするために、使命・・・自分の命を最後まで使って生きてください」
とても刺激を受けた誕生日でした。