斜に構えた女子高生だったかもしれない。同級生はなんだか子供っぽくみえて、大学生や社会人と遊びに行っていたりした。だけど「カクテルって知ってる?おいしいよ。」とやたらと酒を飲ませたがる男よりも、ジュークボックスから流れたRCサクセションの「SKY PILOT」に一瞬で魅了された。
HEY、この世界に愛を愛にチャンスを
HEY、口ずさむ空そんなブルーズ
飛んでいくのさ君といくのさ
いついつまでもBABY
忘れはしないさBABY
情熱をあからさまに表現することは、かっこ悪いことじゃない!と思った。それからの私は学生生活を有意義に過ごし、な~んてことは全然なかったけれど、自分の心が浮き立つことを楽しんでやれるようになったような気がする。
そんな私の人生の師匠である故忌野清志郎氏の持ち上げかたが、なんだかおかしい。
私も事故が起こってから「彼は警告してくれたのに、私は何をしてきただろう。」「空の上の彼はどういう気持ちだろう。」と度々思った。彼がもし生きていたら「SUMMER TIME BLUES」や「LOVE ME TENDER」を今歌うことはしないと思う。
「原発は安全です。」を信じるのと、事が起こってから反原発主義者になって「反原発ロックかっこいい。」とにわかファンになるのはどちらも浅はか。分かっていたのに何もしなかった人は無責任。死んじゃってこの世にいないおいらはやっぱり思慮深い。そんな歌をうたいそう。
すでに事故は起きてしまったし、放射能はもれている。世界は変わったしまって取り返しがつかない。今からできることは一人ひとり、どれだけ無関心だったか、どれだけ驕っていたか、反省をして自分の足元をしっかり固めること、その上で自分で考えた自分の意見を持つこと。
おろかな私を見捨てないで、何度も教えて。