余はも、かれこれ、慢性的為る鬱症状を、十九の頃から抱えており、ええっと、今年で、十七年になるぅ。
だので、働く気がこれ一切、湧かず、生活保護費だけで生活して、早、九年。
このマンションには、2009年の11月頃から確か住んでいる。
溶質6.5畳の1Kのこのマンションは、壁が隣人の”うがいをする声”がもろに聞えるくらいの薄さという生活の苦を除外するならば、けっこー、良い物件なのである。
閑静な住宅地、レンガ造り風の外装、高級感漂うオートロック、余が入った頃、管理費と水道費含め4万7千円の家賃、これでも値下げ中であったが、今では空き部屋は家賃4万3千円とかまで下がっていた。
なんですか?この値下げ。
余は、ひっじょーーーーーーーーに、口惜しい。
だって、余の隣は、事故物件なんですよ。余がここに引っ越して2年ちょっと後に、隣の方が自死をしなすったんです。
マジで、激烈にショックで、未だに余のトラウマとして息づいている。
だのに、なんで余の部屋の家賃が4万7千円で、他の部屋は隣の事故物件合わせて皆、4万3千にまで、値下げしてるんですかー?
すっごく、管理会社に、一言、何かを言いたくなる余の心理は、きっとあなたにもあると想う。
で、それだからってわけではないんやけれども、余はこの度、劇的に、他の都市へ、引っ越したいという衝動を抑えきれなくなったので、近い将来、絶対的に他の都市へ引っ越すことになると想う。
詳しくは申せないが、都道府県も変わると想う。
その為に、市役所に引っ越したい旨を酒を入れて電話口で情けない泣き言を入れつつ、懇願したのであるが、これを市役所側は、引越し費用を出すに値しない引越し理由で在るとして、即、却下なされた。
余は悲しみに打ちのめされ、毎晩、酒に酔い痴れた。
何故なら、引っ越したい理由とは、徒(ただ)ならぬ自己の魂の奥深くから湧き出て止める術を持たぬ「雄鶏(おんどり)を飼って、愛でて生きたい」という切実為らない理由からであった為である。
雄鶏を飼いたい理由も、並大抵の理由でなく、切なる切なき我が愛なる欲情と、恋に似た、胸を熱くさせるきゅんきゅんでじんじんでごんごんな理由からである。
余は人生を懸けて、「雄鶏が飼いたい」と言っていてるのである。
これを即、5分かそこらの相談で即却下されたる余の口惜しき無念に、めげそうにもなるけれども、余は諦める術も知らないで。
市役所に引越し費用を払って戴けないのであるならば、自分で貯めて引越しすれば良い話。
余は半年以上かけてでも、自分で貯めて、絶対に雄鶏を飼える環境の古い一軒家に、引っ越すと近い将来の目標を立てた。
余は我が人生を、懸け、絶対に雄鶏を飼って生涯懸けて育てることを。
我が愛するリチャード(雄鶏の名前)へ。
夢のなかで、約束したような、気ィがするのであった。