FPが綴るコラム

生命保険加入と見直しのポイント!

伊藤亮太(いとう りょうた)
現在、スキラージャパン株式会社取締役副社長。
CFPR、DCアドバイザー、証券外務員資格保有。
慶應義塾大学大学院商学研究科(専門は社会保障・年金)修了後、証券会社の営業・経営企画部門等を経て2007年11月、「スキラージャパン株式会社」を設立。個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランニングの提案・サポート等を行うと同時に、企業やオーナーに対する経営コンサルティング、相続・事業承継設計・保険設計の提案・サポートを主に行っている。
また、CFPR認定者として、FP受験講座等の講師として活躍するかたわら、大学等で金融や資産運用、年金、保険などの講演も行っている。著書として、『ゼロからわかる金融入門 基本と常識』(西東社)などがある。
公式サイト|伊藤亮太ファイナンシャルプランナー http://www.ryota-ito.jp

・病気やケガで不安・・・生命保険に入った方がいいのでしょうか?
・保険料が家計の負担になっている・・・生命保険を解約すべきでしょうか?

 上記のようなお悩みで、生命保険に関して加入を考えたり、見直しをしたいと思われている方は多いのではないでしょうか?今回はこの「生命保険加入と見直し」におけるポイントについてみていきたいと思います。

■生命保険の加入にあたって

 生命保険加入にあたって、当たり前のことですが、保険に加入する目的が何のためであるのかが明確でなければなりません。例えば、ケガや病気になった時に入院費用に困らないようにするためといったことであったり、家族が生活していくのに困らない程度の死亡保険金を用意したいといった希望がその目的に値します。保険に加入する前に、一度そうした目的を書きだしてみるとよいでしょう。そうすると、どういった保険に加入した方がよいのか、もしかしたらそもそも保険に加入するのではなく貯蓄を増やす方がよいといった結論がみえてくると思われます。

 生命保険加入を考えるにあたっては、まずは目的を明確にしてみましょう。そのうえで、私たちのような中立的な立場のFPに相談すると、加入すべき保険の種類や商品がより明確になるといえます。もちろん、保険会社や保険代理店などに相談するのもよいでしょう。ご自身が納得して保険に加入する場合は別ですが、くれぐれも勧められるままに保険に加入という形だけは避け、じっくり保険商品を比較する時間もできれば欲しいところです。

■生命保険の見直しのポイント

 生命保険の見直しのポイントは3つ。①保険に加入した目的が現在も継続して合致した目的であるか、②保険料に負担感はないか、③保険金額が適切か、の3点になります。

①保険に加入した目的が現在も継続して合致した目的となっているか?

 生命保険に加入しているものの、どんな保険商品に加入しているのかイマイチ分かっていない・・・そういう方も多いのではないでしょうか。加入した目的もはっきりしておらず、とりあえず入っているという方、是非一度見直す機会をつくることをおススメします。仮にムダな保険に加入していることが判明すれば、月に数千円~数万円の節約にもなるかもしれません。その分を貯蓄に回すことができたとしたら、家計にとってはかなり助かるといえるのではないでしょうか。

 なお、最初に加入した時から保険加入の目的に変更がない方については、次に示す保険料と保険金額についても考えていただきたいと思います。

②保険料に負担感はないか?

 保険料が家計を圧迫している・・・そんな現状のあなた。今すぐにも保険の見直しを行うべきといえます。通常、保険料に負担感がある場合には、必要以上の保険に加入しているパターンが多いです。特に、特約部分にどんなものを付加したのか、保険証券をみてチェックしていただきたいと思います。

③保険金額が適切かどうか?

 保険金額は多ければ多いほどよいと思って保険に加入されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながら、保険金額が多ければ必然的に保険料も高くなるといえます。下記の算式にて計算された金額が実際に民間の保険でカバーする金額となるため、保険金額の一つの目安として参考にしていただきたいと思います。

図:③保険金額が適切かどうか?-民間の保険でカバーする金額の算式-

 生命保険は、必ずしも無理をしてまで加入しなければいけないものではありません。その方その方に合った保険の入り方があると私は考えます。保険料に負担を感じる方は是非一度見直しを行っていただきたいと思います。保障額を少なくする、延長保険や払済保険で対応する、他の保険に切り替えるなど見直し方法には様々なパターンが存在するため、保険分野に強いFPに相談されるとよいといえます。

本コラムは、スキラージャパン株式会社ホームページ『FPコラム』に掲載したものを手直ししたものになります。


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