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英文小説「将軍」SHOGUN を少しずつ読む

jm 2010/03/27 23:44

 James Clavell, "SHOGUN" は、1970年代に書かれた。当時読んでみたいとは思っていたが、たいへんに分厚い本なので、にわかには手が出なかった。いまたまたま入手してみると、16世紀にイギリス人の航海士がオランダ船に乗って日本に漂流し、徳川時代の歴史にかかわったという設定は、それ自体非常に興味深い。
 私は従来英文速読を旨とし、辞書も英英辞典を使っていたが、この本を楽しむにあたってあえて英和辞典を盛んに引きまくることにした。三省堂、ニューグローバル英和辞典というやや分厚い、大学生程度の辞典である。(実は同じ辞典が私の電子辞書にも入っているので、あえて座右においていたものだ) 片っ端から辞典を引くのも快感があって爽快。よく判らないところは三角をつけておいて、そのままかまわず読み進む。どうせ暇つぶしの趣味なのだから。
 読んでいて非常に面白みを感じるのは、この話の設定が、16世紀にイギリス人が日本人に接触したということになっているので、日本人の生活や社会や文化やを英語で一生懸命に説明しようとしているところである。これをこの「マイコミュニティ」の話題にする。英米人が日本人をどう説明するのかという説明のありよう自体が面白く感じられるのだ。
 どうぞひまな人はなにかコメントしてください。

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[4]  jm  2010/03/28 22:04

閑話休題
 後で出てくるが、主人公と仲間のオランダ人たちは、野菜と魚とお粥という日本食にうんざりし、「どうしておれたちに肉を食わせないのか、ラム酒を飲ませないのか」と不満たらたら。
 反対に私たち日本人が英米へ行くと、新鮮な野菜をたくさん食べる機会が乏しいので、いらいらするのではなかろうか。私はあるとき店のウインドウにおいしく飾った生野菜の盛り付けを見つけてうっとりした。ところでよくよく観察してみると、生野菜と見えたのはすべてチーズであった。
 店で生野菜だけ注文したければ、メニューの中にgarden saladというのがあるので注文すればよい。ただし、大きなボールに入った人間の頭ほどの分量の野菜がやつてくる。10人に1つ注文すればよろしい。

[3]  jm  2010/03/28 21:51

 さていったいここはどこだろうか。日本だろうか。それとも中国だろうか。
中国をCathayと表現している。今では雅語だねえ。キャセイ パシフィックを想起。
 部屋の壁がん(壁のくぼみ)に十字架がある。
これで家の主がクリスチャンであると主人公にはわかる。
 家の主人はスペイン人かポルトガル人ではなかろうか。
オランダとイギリスは当時スペインとポルトガルを敵に回していた。敵の家なら大変だ。
 キリスト教、スペイン人、ポルトガル人、は西洋的なものだから、ストーリーはそれを仲介項として日本に入ることになる。著者がいきなり直接日本に入るのは大変だからね。
 しかしこの家の主はカトリックだが日本の漁民であった。

[2]  jm  2010/03/28 21:26

 目覚めた主人公ブラックソーンがまず何を見たか。
 こぎれいな、小さな部屋で、「たたみ」が敷いてある。
 covered with soft mats. 畳が、matだとさ。
 ブラックソーンは厚い布団の上に横たわっていて、上から掛け布団がかぶさっていた。
 He was lying on a thick quilt and another was thrown over him.
 布団はquilt 掛け布団はanother quilt   私はとてもこんなふうには書けないな。
 ブラックソーンのすぐそばに赤い盆があり、盆の中には数個のお椀があった。
 Beside him was a scarlet tray bearing small bowls.
 どんな食べ物があてがわれていたかというと、野菜の煮つけと魚の汁と小麦かカラスムギのお粥であった、のだ。
 cold cooked vegetables, a fish soup, thick porridge of wheat or barley
 私は、このa fish soup が実際には何を意味するのか、わからない。まさか味噌汁か。
 もちろん腹が空いているブラックソーンは貪り食う。手でつかんで。
 それから水があって、ひょうたんのような奇妙な形をした容器に入っていて、飲むと奇妙な味がした。
 The water in an odd-shaped gourd was warm and tasted curious---slightly bitter but savory.
  この水の味というのが、私にはよくわからない。日本の水がみなそういう味というわけではなかろう。この漁村の水がそういう味だったのだろうか。
 いずれにせよ、これが第1章の最初のパラグラフだ。
 いまはここまで。


[1]  jm  2010/03/28 00:04

 "SHOGUN"の書き出し(プロローグ)は、主人公であるイギリス人ブラックソーンBlackthorneが航海士をしているオランダ船隊が、日本への航海を目指して南米南端(いまのアルゼンチン)を回って北上する間に難破し、ブラックソーンたちの乗った船が日本に漂着する経過を語っており、私にはたいへん読みにくい英文であった。
 さて第1章。主人公が正気に返ってみると、かれは日本の家屋の中に裸で寝せられていた。かれとかれの仲間は日本の伊豆に漂着してそこの漁民に保護されていた。さてこれから、主人公にとっては前代未聞の環境の中でのストーリーが始まる。(しかし私たち日本人にとっては十分によくわかる事情なので、それが英文では一体どういう表現になるのか、主人公はそれをどう感じるのかというのが私たちには面白い読みどころになる。)
 いまはここまで。

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