Nさん・・・典子さんの家に行き、彼女と会って来ました。
最寄り駅での待ち合わせに、彼女は自分で運転して、車でやって来ました。
車で出かける先は限られていて、それ以上の遠出はタクシーを使う、と慎重に運転しているようでした。
お庭には金柑の木があって、鳥がついばみにやって来るそうです。
リビングの窓から見ているの、と言っていました。先ずは和室のお仏壇の部屋へ行き、妹さんと、息子さんの遺影の前でお二人と典子さんのためにお祈りをしました。
それからリビングに行きました。広々としたとても静かなお宅でした。そこに典子さんが一人。そしてワンちゃんのエイト君がおとなしく付き添っていました。
毎日、朝晩エイト君の散歩に行く。食材や日用品は生協の宅配を利用する。
3食きちんと食べる。友の会の家計簿をつける。そして週に1回はプールに行き、週に1回ヘルパーさんに来てもらっている。息子さんの四十九日が終わってから、規則的に暮らせるようにもなったし、昼間活動すると眠れるようにもなった、と話していました。気を許すと涙がでてしまう、と言いながらも今できる事をこなしながら、1時、1時をつないでいくしかない、と言い、その通りに暮らしている姿に、なんだか私は感動しました。
肩肘張った強がりではなく、こういう辛く哀しいことが起こるのも人生だ、という諦観。それを受け入れつつ、でも出来る限り一人で頑張ろうと自分を律しているその意志力。だてに80年以上も生きてきたわけじゃない、という彼女の矜持、プライドも感じられた暮らしぶりでした。
お弁当はなだ万の懐石弁当にしました。あれこれ綺麗に詰められていて、とても美味しかったです。
息子さん家族の話や妹さんとの思い出、私も息子たちの話や健康状態の事、そして亡き母のことなど、話は尽きませんでした。孫の話になった時、いつの間にかずいぶん成長していて、母親を助けてやっていくだろう、と言っていました。写真をお互いに見せあったのですが、亡くなった典子さんの息子さんに良く似たお孫さんでした。
食後、お茶を一服立てて下さり、お菓子をいただき、帰って来ました。元気で居ましょう。そして桜の頃に、また来ます、と約束しました。
私が同じような経験をしたらどうするだろう。
天に向かって、ひどいじゃないか!!と悪たれをつきそうです。
どうぞ典子さんが癒されますように。そして慰めがありますように。