今回のツアーは全部で12人でした。バスの乗り降りやおトイレタイムの集合やレストランでの食事等々、ちょうど良い人数だったように思います。添乗員さんをはじめとして、全員の皆さんが親しく接して下さり、羽田でお別れするときは、お名残り惜しい気持ちでした。カフェでワインなど飲みながら、随分といろいろな話もしました。
特に印象に残っているのは、80代の最高齢の女性でした。お嬢さんが2人いらして、今回は次女の方が同行していました。年に何回か、2人で相談して交互に温泉とか日帰りのグルメツアーなどに連れ出してくれるのだそうです。今回は、3年ぶりの旅行で、次女の方が職場のリフレッシュ休暇を取得して、フランス行くけど、一緒に行く?と誘われたそうです。
2人のお嬢さんから、スーツケースの持ち運び、皆と同じペースで歩けること、階段や坂道の上り下りが出来る事、何でも食べること、など厳しく言われて、出来なければ諦めて、と言われていたのだそうです。
コロナの3年間で、歯の手入れと治療を欠かさず、ご一緒した食事では、骨付きの鴨肉や骨付きラム肉のグリルなど、全部完食されていました。
しかも・・・アン ベレ デ ウィン ルージユun verre de vin rouge なんてフランス語で赤のワインを注文してくれました。フランス語の勉強もしてきたのだそうです。
さらに白内障の手術もして、すごく良く見えるの。もっと早くすれば良かったわぁ、と嬉しそうでした。補聴器も購入したそうで、ガイディングマシーンはブルートゥースで聞かれていました。何年か前には変形性膝関節症で思い切って人工関節にする手術も受けられたのだそうです。今回の旅行に備えて、筋トレもはじめたのだと言っていました。これから人生楽しむの、歩けなくちゃねぇ・・・と地下鉄の階段ももモンサンミッシェルも、とにかく全行程を歩かれました。本当に感服しました。
早くにご主人を亡くされて、子どもさんを育て上げ、お姑さんを見送り、ご自身は癌で何回かの入退院も経験されているそうです。今が一番幸せですよ。とおっしゃっていました。諦めない、前向きさに私はとても刺激を受けました。
それにしても、娘って良いなぁ、と思いました。何でも自分でやってもらわないと、甘えちゃったらどんどんダメになるから、と言いつつ、そっと見守っている姿がありました。もうこの旅行で充分。なんておっしゃったりもしましたが、あと何回かは、ヨーロッパや北米、南米などに連れて行きたい、と娘さんは言っていました。そしたらそれを聞いて、じゃあウユニ塩湖に行ってみたい!!とすかさずおっしゃって、みんなでビックリ。
ご本人は、欲張りかな、と笑っていらっしゃいました。
命を楽しむ。羽田に着いたら、スマホに着信がたくさん来ていました。グラウンドゴルフの練習日の変更、老人クラブの忘年会、お餅付きの手伝いの連絡などなど・・・あら忙しいわ。少し休まなくちゃダメだよ!! などと母娘の楽しくも厳しい会話は続いていました。
あの気力。前向きさ。私も見習いたいです。みなさん、あやかりたい、と感心していました。
娘さん、優しいのですね。息子は旅行なんかに同行してくれるのかしら??なんて言ったら、優しいよ。パスポート届けてくれるから。と夫に言われてしまった私でした。